証券会社と連携しているネットバンクについて調べてみたら、結構お得な内容が多かったので記事にしてみました。
結論として、証券会社を使わなくても証券会社と連携させたほうが良いです。
今回のターゲット
今回は楽天銀行、住信SBI銀行、GMOあおぞらネット銀行の3行を比較してみようと思います。
楽天銀行
旧イーバンク銀行から、GMOやライブドアの資本が入ったりしながら、楽天カードの傘下に入ったことで2010年に楽天銀行になっています。2018年12月で700万口座を持ち、ネット銀行大手という位置づけになっています。2020年時点で未だGMOとの関係は続いているみたいです。
住信SBIネット銀行
住友信託銀行とSBIホールディングスとの共同出資によるネットバンクです。SBI証券との連携を重視した銀行になっていて、当初は公共料金の支払い等にも制限があったみたいですが、現在は普通の銀行口座として使えるようになっています。
GMOあおぞらネット銀行
日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)の経営破綻をきっかけにあおぞら信託銀行になり、ソフトバンクグループのヤフーとの資本提携も経て、最終的にGMOとあおぞら銀行の共同運営としてGMOあおぞらネット銀行になったようです。
それぞれつながりがある
今となっては関係はないのかもしれませんが、楽天銀行のルーツの中にはGMOがいて、GMOのルーツの中にはソフトバンク(SBIは元々はソフトバンクの金融部門)がいて、目まぐるしく変化があった業界です。
各銀行の比較
さて前置きはそれくらいにして、具体的にメリットデメリットを比較していこうと思います。
まずは金利
下図に横並びにしてみましたが、どうでしょうか。普通口座でお金を預けておく意味があまりに低いことがよくわかると思います。
普通預金 | 0.020% | 0.001% | 0.030% |
証券会社連携口座預金 | 0.100% | 0.010% | 0.110% |
定期預金 | 無し | 0.020% | 0.030% |
2020年5月時点のもの・税引き前
楽天銀行は定期預金の記載がありませんでした。定期預金するなら投資をしろということでしょうか。一方で、GMOあおぞらネット銀行は定期預金よりも証券会社連携口座のほうが圧倒的に金利がよいという結果になりました。
勝敗でいえば、GMOがやや優勢ですが互角というところでしょうか。
何れの銀行も投資に興味を持ってもらいたい言う意図なのでしょう。それだけ証券会社が儲かるのかもしれませんが、投資をしないで金利を頂くのが最も安全で恩恵に預かれる方法かもしれませんね。
ATM手数料
口座残高や取引回数などで無料になる回数が変わったりしますので判断が難しいですが、皆さんの生活環境で比較しやすいように口座残高のみを条件に横並びにしてみました。
まずは引き出しから。
引出し手数料
標準手数料と提携ATM | 手数料220円/回
手数料275円/回
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手数料110円/回
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手数料110円/回
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条件なし | 無料なし | 月2回まで無料 | 月2回まで無料 |
口座残高10万円 | 月1回まで無料 | 月2回まで無料 | 月2回まで無料 |
口座残高30万円 | 月1回まで無料 | 月5回まで無料 | 外貨普通預金の場合
月5回まで無料 |
口座残高50万円 | 月2回まで無料 | 月5回まで無料 | 外貨普通預金の場合
月5回まで無料 |
口座残高100万円 | 月5回まで無料 | 月5回まで無料 | 外貨普通預金の場合
月5回まで無料 |
口座残高300万円 | 月7回まで無料 | 月7回まで無料 | 外貨普通預金の場合
月7回まで無料 |
*楽天銀行のATM手数料無料回数は入出金両方を合わせた回数です。
*口座残高の判定日等は各銀行で異なります。
住信SBIネット銀行が最もよいですね。最近は電子マネーの利用が増えているので、現金を使う場面が減ってはいますが、それでも街でお金が必要になるケースがありますし、ATM手数料が0円であると助かります。GMOも外貨預金を利用していればそれなりに便利に使えそうです。
預入れ手数料
標準手数料と提携ATM | 手数料220円/回
手数料275円/回
|
手数料無料
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手数料無料
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条件なし | 3万円以上は何回でも無料 | 無料 | 無料 |
口座残高10万円 | 月1回まで無料
3万円以上は何回でも無料 |
無料 | 無料 |
口座残高30万円 | 月1回まで無料
3万円以上は何回でも無料 |
無料 | 無料 |
口座残高50万円 | 月2回まで無料
3万円以上は何回でも無料 |
無料 | 無料 |
口座残高100万円 | 月5回まで無料
3万円以上は何回でも無料 |
無料 | 無料 |
口座残高300万円 | 月7回まで無料
3万円以上は何回でも無料 |
無料 | 無料 |
*楽天銀行のATM手数料無料回数は入出金両方を合わせた回数です。
*口座残高の判定日等は各銀行で異なります。
預入のATM手数料SBIとGMOの圧勝ですね。楽天銀行はちょっとケチにも思えてしまいますが、3万円以上であれば無料なので、1、2万をこまめに入金する必要がなければ実際はそんなに問題ないのかもしれませんね。
振込手数料
どの銀行も同じ銀行間同士の振り込みは無料です。ここでは、他行宛の振込手数料について確認しましょう。
標準手数料 | 3万円未満:手数料168円/回
3万円以上:手数料262円/回 |
手数料157円/回 | 手数料157円/回 |
条件なし | 無料なし
給与や年金振込口座指定で月3回まで無料 |
月1回まで無料 | 月1回まで無料 |
口座残高10万円 | 月1回まで無料
給与や年金振込口座指定で月3回まで無料 |
月1回まで無料 | 月1回まで無料 |
口座残高30万円 | 月1回まで無料
給与や年金振込口座指定で月3回まで無料 |
月3回まで無料 | 外貨普通預金の場合
月3回まで無料 |
口座残高50万円 | 月2回まで無料
給与や年金振込口座指定で月3回まで無料 |
月3回まで無料 | 外貨普通預金の場合
月3回まで無料 |
口座残高100万円 | 月3回まで無料
給与や年金振込口座指定で月3回まで無料 |
月3回まで無料 | 外貨普通預金の場合
月3回まで無料 |
口座残高300万円 | 月3回まで無料
給与や年金振込口座指定で月3回まで無料 |
月7回まで無料 | 外貨普通預金の場合
月7回まで無料 |
*口座残高の判定日等は各銀行で異なります。
ここでは住信SBIねっと銀行が有利な結果となりました。ただし、楽天銀行も給与受け取り口座に指定にしてしまえば3回まで無料です。送金ルートをうまく考えれば、ほとんど無料で振込ができると思います。
実は、振込ルートについては別の記事で考察しています。もし振込手数料の節約を重視するのであれば、一読ください。
各社特有のポイント還元、キャッシュバック
色々調べてみてわかったのですが、ネットバンクはポイントやキャッシュバック等の特典があります。このあたりがメガバンクとの大きな違いですね。
優遇内容と適用条件が多岐にわたるため抜粋となりますが、概略は以下の通りです。
楽天銀行の場合
振り込みや手数料の支払いでSPUポイントが貯まります。SPUポイントは楽天市場や楽天Payなどで使えますので、もらえると結構うれしいですね。
住信SBIネット銀行の場合
こちらは給与の受け取りや口座残高、銀行引き落としに応じてスマプロポイントが貰えます。スマプロポイントはJALのマイルに交換したり、1ポイント1円で現金へ交換することができます。給与受取にするだけで30ポイントもらえますので、ぜひ活用したいですね。
GMOあおぞらネット銀行の場合
こちらはVisaデビッドカード利用時のキャッシュバックです。デビットカードとは銀行口座から直接お金が支払われるカードで、クレジットカードと同じように使えます。1.5%のキャッシュバックは結構魅力的ですね。
無条件 | 利用料金の0.6% |
外貨普通預金で残高30万円以上,またはVisaデビッド利用額30万円以上 | 利用料金の0.8% |
外貨普通預金で残高300万円以上 | 利用料金の1.0% |
外貨普通預金で残高500万円以上 | 利用料金の1.5% |
結局どんな使い方がよいのか
私が思う最適解は
- 楽天銀行で給料を受け取る。⇒振込回数3回無料になる
- 会社側で可能なら振込先を2か所指定し、住信SBIネット銀行でも給料を受け取る。⇒給与振り込みでポイントバック
- 楽天経済圏の支払いは楽天銀行で行う。その他は住信SBIネット銀行から引き落とす。⇒楽天市場のSPUポイント増加、引き落としによる住信SBIネット銀行のポイントゲット
- 3銀行間のお金の移動は、楽天証券やSBI証券、GMOクリック証券経由でお金を無料で行う。 ⇒他行振込に使いたい銀行へお金を移動
- GMOあおぞらネット銀行は貯蓄用として、証券会社連携口座にお金を入れる。⇒0.11%の金利
- ATMからの引き出し、預け入れは住信SBIネット銀行を使う。⇒手数料無料特典を使う
という感じになりました。結構手間に見えますが、全部スマホで操作できますので思ったより簡単に短時間でできてしまいます。