個人的にはITパスポートっていつの間にやら出来ていたなという印象の資格ですが、
今回受験してみましたので今後受ける方、勉強する方に向けて参考になればと思います。
ITパスポートで何ができるようになるのか
答えとしては、この資格があっても何かになれるわけではありません。
公式サイトにはこう書かれています。
iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
国家資格としてあなたのITに関わる人の一般常識を証明しますということですね。
ITを活用する人って誰?ってなりますが、会社で業務としてパソコンを触る人は全員知っておいたほうが良い知識が含まれます。
出題範囲はテクノロジー(情報系分野)、ストラテジー(経営や法律)、マネジメント(業務管理、プロジェクトマネジメント)の3分野から成り、ITという割には広範囲と言えます。
技術的な内容も多いので学生の方やITに疎い方が勉強するとなるとなかなか大変かもしれませんが、経営論やプロジェクトマネジメント等の会社全体の話も入っており、自分の仕事の立ち位置を改めて確認するきっかけになるでしょう。これについては時間があるときに別の記事で説明します。
私の置かれている環境
社会人10年目前後の技術者です。IT業界ではなく、機械やその制御といった分野で仕事をしています。とはいえ、今やコンピュータを使わない機械のほうが多いくらいITの理解が必要になっています。
で言えば、
- PLCの仕組みがわかる
- シリアル通信の仕組みがわかる
- メーラーの設定をしたことがある
- VBA(EXCEL)でちょっとしたアプリが書ける
- ブール代数(論理回路)を学んだことがある
- HTMLが少し読める
- ブログをしている
あたりが私のバックグラウンドになります。
IT関連のプロジェクトではないですが、製品の開発ではプロジェクトとしてチームを動かしていますので、断片的ではありますがマネジメントの知識も多少はあります。このあたりはPMBOKの知識体系をラフに取り入れています。
また、ゆくゆくは経営層になることも考慮して、経営戦略等の研修を受けたりもしていますので、なんとなくマーケティングや財務会計の言葉もなじみがあります。
統計的に見た難易度
全体の平均を見れば合格率は60%くらいで、IT系で最も簡単といわれる割には落ちているといった印象を受けます。
経験年数別でみると14~20年目がもっとも合格率が上がると言う推移になっていますので、それくらいの年になれば自然と身についてくる内容であると言うことなのでしょう。

裏を返せば、特に意識をしていないとそれくらいの年齢まで聞きなれない言葉が多くあるということになります。
合格に絞って考えれば、小学生でも合格者がいることからも、勉強すればほとんどの方が手が届く資格だと思います。

正直なところ、試験内容の理解を測るという面では以下のような部分に問題があると感じており、常識的な考え方をすればある程度点が取れてしまう試験です。
- 国語の問題として点が取れてしまうものが多々ある
- 略語の元の英語が推測できると答えがわかるものがある。
例:情報システム戦略を立案、実行する、最高責任者はどれか。
答え CIO(Chief information officer) - 計算問題が日本語の直接的な意味から解けることが多い
- 2進数の問題等の情報システム特有の問題は捨てても何とかなる。
まあ、常識的な考えができるという点を測られている試験と考えれば、就活に利用される試験としては正しい姿なのかもしれません。
私の勉強時間と主観的に見た難易度
あまり参考にならない情報になりますが、私はスマホのアプリで一通り問題を解いた程度で合格しました。勉強時間にすればおそらく5,6時間だと思います。
と言っても総合得点が700点ちょっとなので、3割ほどは間違えている計算になります。
そして、私はこの資格が決して簡単な資格ではないと考えていますし、とても有用な試験だと感じていることを強調しておきます。
確かに受かるという観点で言えば、特別難しい資格ではありません。ただし、このテストで満点に近い得点を取ろうと思うと、それなりの難易度の試験に生まれ変わると思います。
そして、出題範囲の広さから社会人としての逆引き辞書のような役割を持っていると感じます。私だけなのかもしれませんが、普段普通に仕事をしているだけでは経営戦略や財務状況まで中々気が回りません。割と経験しているはずのプロジェクトマネジメントでさえも、知識体系の乱れを感じることがありました。
もちろん経営に関しては経営層ではないので考えていないことが問題にはならないのですが、その時は急に訪れるのではないかと思います。あるタイミングで従業員から経営層へ転換する時があり、その瞬間からリーダーシップを発揮することを考えれば、普段から経営という目線で自分の仕事を見つめ直すのもよい時間ではないかと思います。